正社員、派遣、アルバイトなどの雇用形態について改めて考えてみませんか?
◆ 雇用形態について
企業で働く際に、企業と従業員との間で締結する雇用契約の種類のことを雇用形態と言います。
<雇用契約の種類>
- 正社員
- 契約社員
- 派遣社員
- パートタイム労働者(アルバイト)
- その他…
雇用形態は、各企業によって決めた定義により、適用されるルールはそれぞれ異なります。
雇用契約については、「正規雇用」と「非正規雇用」と、大きく2つに分類されます。
【正規雇用】
主に正社員のことを言います。
基本的に雇用期間の定めがなく、フルタイム労働で直接雇用の形態のことを言います。
【非正規雇用】
正社員以外(非正規社員)のことを言います。
雇用の定めがあったり、短時間勤務などの場合が多くあります。
非正規雇用には、企業と「直接雇用」の場合と、勤務する企業と給与を貰う企業が異なる「間接雇用」があります。
間接雇用の代表的な例として、派遣社員があります。派遣社員の場合は、勤務する企業とは異なる企業である派遣会社から給与を貰います。
◇「正社員」
- 正規雇用に区分
- 直接雇用
- 雇用期間の定めなし
- 基本的にフルタイム勤務
- 定年退職まで働ける
- 賞与や退職金の支給がある
- 健康保険や厚生年金、雇用保険や労災保険などの福利厚生などが充実
- 社会的信用が大きい
◇ 「契約社員」
- 直接雇用
- フルタイム勤務
- 勤務期間の期限が設けられている(上限3年)
- 契約期間満了で契約が更新されずに契約終了となる可能性が高い
- 契約により業務内容が決まっている為、得意分野を活かした仕事を選ぶことができる
- 契約期間が決まっているので、最長3年毎に様々な企業で働くことができる
- 契約終了となった際、新しい企業との契約ができなければ働き先を失う可能性がある
◇ 「派遣労働者」(派遣社員)
- 非正規雇用に区分
- 派遣会社(雇用主)から紹介された企業(派遣先)で勤務
- スキルや経験を活かせる仕事を選ぶことができる
- 勤務地、勤務時間、期間などを選ぶことができる
- 契約期間があり、契約終了となる可能性がある
- 1つの企業で働く期間は原則3年
- 契約終了となる際には次の派遣先を決めないと働き続けられない
◇ 「パートタイム労働者」
- 非正規雇用に区分
- 正社員より労働時間が短い場合が多い
- 正社員とは異なる賃金(時給)制度
- パート・アルバイト・嘱託・臨時社員などの呼び方がある
- 希望の日時や時間に働くことができる
- 求人数が多く、希望の仕事を選びやすい
- 時間に制約がある方でも働きやすい
- 未経験や学歴など応募資格の制限が少ない
- 賃金単価が安い場合が多い
- 収入が安定し辛い
◇ 類似「業務委託(請負)契約」
企業が個人事業主や外部企業に対して業務の一部又は全ての業務を委託し、対価を支払う契約形態のことを言います。
◆ 雇用形態を比較すると…
<期間の定めなし・あり>
正社員とその他の雇用形態を比較して考えた時に、一番の大きな違いは「雇用期間の定めなし」か、それとも「雇用期間の定めがある」か、です。
その大きな違いに関しては、生活スタイルや好みによるかもしれませんが、「安定した雇用形態で働きたい」と言う希望がある場合には、正規雇用に区分される「正社員」を目指す必要があると考えます。
もしも今、独身であり一人暮らしをしている方なら、迷わずに「正社員」雇用を目指すことをおすすめします。
年齢を重ねるたびに1年が短く感じるようになります。その生活の中で最長3年で新しい企業を探して契約をしていく必要のある「非正規雇用」の場合は、すぐに次の企業や派遣先を探すこことなり、とても忙しい生活となります。
正社員で働いている場合には、1年、また1年と経験を積み重ねていくことで、仕事に慣れていき、そして職場の人と交わっていくことで職場に居やすい環境が育まれていきます。
転勤や異動が頻繁な会社でない限りは、年月を積み重ねていくことで職場に居ることの違和感が小さくなっていき、居ることで発生するストレスが軽減されていきます。
しかし…、非正規雇用で働いているといつ企業で「人員整理」などが発生するか不安です。そうでなくても契約終了までのカウントダウンと言う、落ち着かない日々を過ごすこととなります。
せっかく慣れ親しんで仲良くなった職場の方が居ても、近い未来には離れ離れになってしまいます。職場や仕事に慣れて経験を積み重ねた後に、新しい職場に行くことが寂しく辛い経験となる場合もあります。新しい企業には新しい企業での仕事の仕方や職場環境があるので、また1から積み重ねる必要がでてきます。
<待遇>
正社員と正社員以外の雇用形態について、待遇を比較してみたいと思います。
まず、給与や賞与、有給休暇の有無などについて比較します。多くの企業では、正社員が一番優遇されているケースが多いと言えます。賞与については、非正規雇用の方には支給されていないケースが多いです。
また、有給休暇の付与日数について、非正規雇用の方より正社員への付与日数が優遇されているケースが多いです。
健康保険や厚生年金、雇用保険や労災保険などの福利厚生などの充実した制度について、非正規雇用の場合は、恩恵を得られない場合が多くあります。
<時間的自由度>
子育て中の方や学生など、時間に制約がある方にとっては、時間的な自由度がある非正規雇用でないと働けない場合が多いです。
個人事業主などの副業としてのアルバイトや、夢を追いかけている方などにとっては、働く時間を自由に選択できる非正規雇用である必要があります。そういった方には、非正規雇用での働き方が、とても向いていると言えます。
<働くまでのハードル>
働き始めるまでのハードルは、一般的には正社員が一番高く、パートタイマー労働者が一番低いと言うことができます。
学生や時間がない専業主婦などの方が、スキマ時間である自由時間に働く場合には、とても最適な雇用形態となります。
<業務内容選択のしやすさ>
契約で業務内容などが決まっている場合が多い派遣社員などは、自分が得意とするスキルを活かした職種に就きやすい傾向があるので、そういった働き方をされたい方にはとても良い働き方となります。
範囲が決まった仕事が多いので、非正規雇用を選ぶ利点は、仕事内容を限定したい場合などには、向いている働き方となります。
◆ 総合的に就職・転職する場合
雇用形態は色々あり、それぞれにメリット・デメリットがあります。しかし、現在フルタイムで働いており、企業の正社員と同様の勤務時間で会社に通われている方については、是非、「正社員」を目指して欲しいと思います。
「正社員登用」などの制度がある場合については、企業に申し出て、正社員になれないかどうかを相談してみることも考えてください。
逆に、そういった制度はなく、アルバイトはアルバイトとしてずーっと…と将来に不安を抱いている場合には、「転職する」ことを視野に行動してみてください。
派遣社員としてメリハリのある生活を送っている方についても、改めて自分自身がそのままの雇用形態で良いのかどうかについて考えて欲しいと思います。
他に、学歴や経歴で「正社員」を諦めている方については、諦めないで欲しいと思います。今、すでに日本は高齢化が進んでおります。若い方については人手不足が進んでおり、正社員雇用での転職には大きなチャンスがあると考えられます。
色んな意味で諦めて「非正規雇用」で働いている方は、是非「正規雇用」を目標に行動して、安定した仕事環境を手に入れて頂きたいと考えております。
【最後に…】
今回は、今働いている雇用契約について、改めて考えて頂きたいと思い、雇用形態についてのお話をさせて頂きました。
20代、30代、40代、50代、60代・・・と働き続けることを考えて、今一度、現在の仕事環境で働き続けることを納得できるのかどうか、しっかり考えてみて欲しいと思います。
そして、自分の思い描く未来に向けてしっかりと行動して頂きたいと思います。
自分自身が納得できる環境に頑張って近付けるように進んでいって欲しいと思います。
